将来にわたるマイクライアントを作りたい。競合や社内のライバルと差をつけたい。そんな方はアドバイザーを目指しましょう。
金の切れ目が縁の切れ目?
私が30代半ばでコンサルティング会社でマネージャーになったばかりの頃、プロジェクトが終ればクライアントと縁が切れてしまうことがほとんどでした。継続した支援は頂くことはあっても他のテーマについて相談を受けるようなことは稀でした。
マネージャーとなり売上責任にプレッシャーを感じ始めた頃、友人が、プロジェクトが終わっても、クライアントから相談を受け、長い付き合いをし、新しいプロジェクトを受注していることに気づきました。
きっと友人は接待やこまめな訪問をしているのだろうと想像し、苦手なんだよなあ・・・と思うながらも話を聞いてみると、結果はそうだとしてもきっかけは違う、と。「相談を受けるからだよ」と教えてくれました。
専門家 vs. アドバイザー
はて、相談を受けると簡単に言いますが、そう簡単なもの?質問をされて答えるというのはあるけれども。
その後、友人の話を聞いたり、本を読んだり、自分の経験から気づいたことは、どうやらクライアントにとって、専門家になるか、アドバイザーになるかで関係が大きく変わるようだということです。長い関係を築くにはアドバイザーになる必要がある、と。
専門家とアドバイザーの違い
言うは易しとはこのことでそれぞれに奥が深いです。特に「洞察と協働」「良い質問をする」「統合する」「個人的な信頼関係を築く」。これらについては、別な投稿で深掘りしたいと思います。
アドバイザーマインドのメリット
何故アドバイザーたるマインドセットが大事と考えているか書いてみます。
満足度が上がる
これが一番実感しやすいメリットかもしれません。クライアントから相談される、誰かの役に立つというのは我々の仕事の醍醐味ではないでしょうか。
ライバルに対して差別化ができる
相談されるアドバイザーは競合と差別化できます。もし専門性だけ提供していたら、クライアントにとってはただのサプライヤーかもしれません。知識の価値は時間とともに低下するため、やがて安いサプライヤーに取って代わられるでしょう。
またライバルは社外だけではありません。クライアントへの提供価値において社内でも競争があるのが健全なプロフェッショナル組織だと思います。
キャリアにプラス
キャリアにメリットがある事は言うまでもないです。会社の資産や機会を利用して自分の市場価値を上げる旅を続けていくこともまたプロフェッショナルとして必要な行動です。
クライアントのバーを上げる
ビジネスを成長させるにはクライアントのバーを上げて市場を創っていかねばなりません。アドバイザーが投げる質問はクライアントの目線、成功のバーを上げる質問であり、アドバイザーが持つ専門性、洞察や協働はその実現を助けるものです。
専門性は大前提
このように書くと、専門性を軽視しているように思われるかもしれません。実際に、そのようなフィードバックをもらうことがありました。
専門家とアドバイザーの違いで書いたように、専門性は大前提です。それがなければクライアントに対して洞察も与えられないですし、協働して成功に導くこともできないでしょう。
ただ大事なことは、クライアントが高い対価に対して求めていることは、専門知識のサプライヤーではなく、アドバイザーであると言うことです。
クライアントと1on1をしよう
そうは言っても機会がないと思った方。プロジェクトを離れてクライアントと1on1をしましょう。プロジェクトのスコープに関係なく、カウンターパートが担っている責任や個人的に達成したいことを質問しましょう。またそこであなたへの期待値を聞き、何ができるか議論しましょう。
明日できる最初の一歩です。
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